スノーボードの界でも最近かなり盛り上がってきている”グランドトリック”。数年前より技のバリエーションもクオリティも上がり、派手に見せるスタイルもあれば流すようにオシャレに魅せるスタイルもある。
ゲレンデに行けば平地で軽い身のこなしで回る人を見かけることありますよね。
そんな姿を見たら
なんて思ちゃいますよね!そのためにも板は重要なギアの一つです。
ですが、初心者の方はこんな悩みもあるはず。
周りに聞ける人もいないし。
グラトリに適したアウトラインは?
スノーボードの板を真上から見たときの形をアウトラインと言います。
アウトラインにも様々ありますが、グラトリに最も適したものは「ツインチップ」です。
ツインチップとは?
板を置いて真上から見たときの形が左右が対称となっているものを「ツインチップ」と言います。
反対に形状や長さが非対称の物を「ディレクショナル」と言います。
ツインチップのメリットはレギュラー(自分がメインで滑る向き)、スイッチ(レギュラーと逆の向きで滑る)のどちらで滑っても板が左右対称なので同じ感覚で滑ることが出来ます。
グランドトリックでは技の始まりと終わりで滑る向きが逆になることが頻繁にあります。
例えばオーリー180をした時、半回転しかしないのでジャンプ時と着地で滑る向きが逆になるので、その時シェイプが左右対称であれば感覚が同じなので着地も安定しちゃいます。
だからグラトリにはツインチップが適したシェイプなのです。
グラトリに適したボトム形状は?
スノーボード板の”ボトム形状”とは板を真横から見たときの板の形を言います。
横から見るとなんか中央が膨らんでいたり、中央から左右に反りあがった形状であったり様々です。
ツインチップのスノーボード形状は大きく分けて上記の6つがありそれぞれ特徴があります。
その数ある形状の中でもまずはグラトリ向けの3形状を紹介します。
キャンバー
スノーボードが流行りだした頃からあった最も基本的な形状。
中央が膨らみ、足元付近で地面に接地し左右へ反り上がっているのが特徴。
この形状により、ターンをする時の雪面へエッジがしっかりと刺さり綺麗に曲がれたり、ジャンプした時の反発力などを絶妙に引き出してくれます。
王道中の王道の形でもあり、玄人は色々な形状を試して結局キャンバーを使用する人が多い今でも人気の形状です。
- 一般的な形状
- オーリーの反発力
- あらゆる雪面での安定感
- 使いこなすとカービングも安定する
ダブルキャンバー
キャンバー形状に加え、中央がロッカーの様に凹み最も接地した形状。
オーリーをかければキャンバーの様な反発力を得られ、プレスをかければロッカーの様に片足が勝手に上がり逆エッジになり辛い。
二つの利点を合わせた良いとこ取りの形状になっています。
プレスをすると簡単に片側が持ち上がるのでプレスを繋ぐ乗り系の技に特化した形状でもあります。
しかしキャンバーよりも中高速域でバタつき易いのが少し難点。
- キャンバーとロッカーのハイブリッド
- 片側に乗るとプレスできる
- 逆エッジしにくい
- 反発が少し弱め
ハイブリッドキャンバー
ハイブリッドキャンバーはぱっと見はキャンバーに似ていますが、両端にフラット部が存在し、板を踏み込む量でフラット面が増えていきプレスやターンが安定する構造になっています。
近年のグラトリ板にはハイブリッドキャンバーが採用されることが多く、各ブランドでそれぞれの違う形状になっており跳びの反発力とプレスのしやすさ、滑走性能を兼ね備えたモデルがどんどん登場しています。
- プレスのし易さ、操作性が良い
- メーカー毎に形が違う
初心者にはキャンバーかハイブリッドキャンバーがオススメ!
グラトリ板向けの3形状を紹介しましたが、私がグラトリ初心者にオススメするのはキャンバーかハイブリッドキャンバーです。
それぞれでメリット・デメリットがわずかに違います。
キャンバー
- 反発力がある(跳びに強い)
- 細かなエッジの操作を覚えられる
- ターンがよりし易い
- エッジが引っかかり易い
- 滑りの基礎を覚え易い
ハイブリッドキャンバー
- プレスでエッジが引っかかりにくい(プレスに強い)
- 軽い力で板を踏み込める
- 反発もしっかりある
- 滑りの基礎を覚え易い
グラトリのトリック(技)は基本的にオーリー、ノーリーを活かした「飛び系」。
そしてプレスを活かした「乗り系」(バター系)の2つに分かれます。
この2つのトリックのやり易さが上記の様に少し違います。
またどちらの形状も基本となるキャンバー形状がベースなので、スノーボードのなかで一番大事なターンの基礎も覚え易いのがオススメのポイントです。
ロッカー形状はおすすめしません
一時期「ロッカー」という形状が流行った時期もありました。
ロッカーは板の真ん中のみ接地していて両端が反り上がった形状をしています。
ロッカーはプレスでエッジが引っかかりづらいので簡単にスピン出来てしまいグラトリ向きと思われていました。
その反面エッジが浮いているので使いづらい、ひたすらに曲がるので反発をもらいにくいデメリットが大きいこともあり最近はグラトリ板では見かけなくなりました。
板のフレックスは柔らかめがおすすめ
スノーボード板の硬さの事を「フレックス」と言います。
また板のねじれを「トーション」と言います。
フレックスは各社で算出表記が異なりますが、数値が多くなるほど硬いものになっています。
そして、グラトリ初心者に向いているのは柔らかめの板です。
柔らかいと?
- プレスがし易い(しならせ易い)
- 板の操作が楽
- 反発が弱め
- スピードが出るとばたつく
硬いと?
- プレスがし難い(しならせにくい)
- 細かい操作が難しい
- 反発が強め
- 高速域でも安定する
グラトリの基本はプレスなのですが、片足に重心を乗せる姿勢を作る時に硬い板だとその分力が必要になるので柔らかい板ほど楽にプレスが出来ます。
硬い板で初めから練習できればどの板でも乗れる様になるメリットもありますが、できるだけ早くこの形をマスターしたいなら柔らかい板でプレスの感覚を練習することをおすすめしたいです。
プレスが上手くなり、脚力もついて来た時に自分の好きなスタイルに合わせた硬さを改めて選ぶと良いと思います!
グラトリ板の長さは?
通常のスノーボード板選び方は大体自分の身長-15cmと言われています。
しかし、これは平均的な話で以下の表を参考に選んでみてください。
グラトリ板の適正長さ | |
身長 | 適正長さ(cm) |
175〜 | -22〜 -24 |
160〜175 | -15〜 -24 |
〜160 | -15〜 -20 |
このあたりを選ぶと良いくらいの板の長さになります。
グラトリでは細かい板の動きや一瞬で2回転を跳ぶなどシビアな板捌きが重要になるので、できるだけ取り回しのし易い短い長さが必要になります。
あとは微調整で、板をもう少し長くすれば長カービングなどでのターンが安定し、板が短いほどグラトリでの取り回しがやりやすくなります。
乗り系の技を極めたいのであれば取り回しのし易い短めの板を選ぶのもアリです。
逆にリバースターンなどのカービングを活かしたグラトリをやりたいのであれば長めの板を選ぶのが良いでしょう。
スタイルに合わせた選び方
先ほども少し挙げましたが、グラトリにも様々なスタイルがあります。
高いオーリーや、ノーリー720の様な高回転の”跳び系”。
プレスを組み合わせたお洒落なトリックが多い”乗り系”。
最近ではカービングとグラトリを組み合わせた”ラントリ系”も流行っています。
- 跳び系…キャンバー、少し硬め、短め
- 乗り系…ダブルキャンバー、柔らかめ
- ラントリ系…可変キャンバー、少し硬め
跳び系を極めたい!なんて人であれば固めで反発力のあるキャンバー形状をチョイス。
プレスでオシャレに乗りこなしたい人は柔らかめでプレスもやりやすいダブルキャンバー形状。
カービング系がやりたければ高速域でもばたつかない様少し硬めの板で少し長めの可変キャンバー形状。
などなど、自分の目指したいスタイルを明確にすると本当の欲しい板が見えてきます。
板の価格はどれくらい?
初めてグラトリ用の板を買おうとなると価格も当然気になるところですよね。
グラトリ板は大体5万〜10万台円程が相場です。
と思うかもしれませんが、安いものはやはりそれなりの作りになっていてグラトリで重要な板のしなりや、反発が上手く得られません。
値段が高いということはそれに相応する技術が板に搭載されているので、あなたが上手くなる手助けをしてくれます。
実際にゲレンデでカッコよく滑っている人達もこれくらいの板に乗って滑っています。
安い板が壊れるたびに何枚も買い換えるより一本を大切に乗り続けた方が結果的に安く済みますし、良いものを使うのは上達への確実な近道です。
初期投資は高いですが、大事に使いたい!どんどん上手くなりたい!という信念があればそこまで高くないのではないでしょうか。
初心者にオススメの板
グラトリが初めての人には”プレスの動き、反発感を知る”為にも柔らかくて少し短めの板をオススメしたいです。
November D4(ディーフォー)
私がよく分からん安い板から乗り換えたら、まるで羽が生えた感じになる魔法の様な板です。
これは言い過ぎじゃなくてマジです。
NOVEMBERの中で最もソフトなフレックスを持っており、脚力の弱い人でもプレス系のトリックを容易に実現してくれる一本です。
また、柔らかいのに高反発を得られる独自の設計により、オーリーなどの飛び系でも十分なパフォーマンスを実現してくれます。
更に、重量もかなり軽いのでグラトリを始めたばかりの人でも容易に取り扱うことが可能なのでエントリーモデルとしてもオススメします。
スペック | |
FLEX | 4.0 |
シェイプ | ツインチップ |
形状 | フルキャンバー |
サイズ | 147,150,152,154 |
オススメスタイル/ポイント | 高回転、跳び系 |
RICE28 DIVERSE(ディバース)
スノボインフルエンサーいぐっちゃん曰く「ハッキリ言って、おもんないくらい乗りやすい」って言うくらい扱いやすい板です。
センターを柔らかくすることでしなり良く、CA2 PLUSキャンバー(ハイブリットキャンバー)でオーリー・ノーリーの反応をより良く引き出してくれます。
またボード自体の重量もかなり軽いので思った様に足に付いてきます。
スペック | |
FLEX | 43% |
シェイプ | ツインチップ |
形状 | CA2 camber(可変) |
サイズ | 148,150,152,154,157 |
オススメスタイル/ポイント | オールラウンド |
YONEX GROWENT(グロウエント)
今季モデルはライダーの藤田周さんがデザインしたイラストとなっています。
初級・中級者向けにACHSEよりもソフトフレックスにする事で、よりプレスでの操作性を簡単にしており、正にgrowの名前の通り自身を成長させてくれる板です。
それ以外はACHSEそのもの、なので圧倒的反発力は健在です!
先端がダイヤ形状になった事で点乗りプレスがより安定する様になり快適にプレスコンボが繋がります。
跳び系もやりたいけど、乗りでもスタイル決めたいって人にもオススメです。
スペック | |
FLEX | 67 |
シェイプ | ツインチップ |
形状 | easy ride camber(可変) |
サイズ | 148,151,154,157 |
オススメスタイル/ポイント | 初心者にオススメ、乗り系 |
またコスパで選ぶならコチラの記事で紹介している板がかなりお勧めです!
グラトリ板の選び方まとめ
グラトリ板の選び方をまとめるとポイントは5つ!
- シェイプは「ツインチップ」
- キャンバーかハイブリッドキャンバー
- 少し柔らかめの板
- 長さは身長より-15〜-24(短め)
- 自分の目指すスタイル
ここまでグラトリ板の選び方を紹介してきましたが、あくまで基準なので脚力がかなりある人が柔らかい板使うと、柔らかすぎて抜けやすくなっちゃったりもします。
なので自分の身体能力や目指したいスタイルを想像して自分に合った板を探してみましょう!
上記で紹介した板以外にもたくさんのメーカーの板があります。
他のも観てみたいって人はグラトリブランドをまとめたコチラの記事も参考にしてみてください。
自分に合った一本を見つけて楽しくグラトリを始めよう!
まめじぇふ(Twitter:@jefflymame,insta:@mamejeff1)でした。